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ここ数ヶ月で複数回、別の人と奨学金破産の話題が出たこともあり、ほんの少しだけ検証してみようと考える国民健康保険料削減コンサル&生命保険代理店のasimomy矢口です。

検証前の現時点ですが、マスコミが面白おかしく騒いでいる一面もあるのでは無いかと思っています。
様々なケースが存在することは承知しておりますが、ググったら出て来た下記の事例を叩き台にします。

クローズアップ現代 No.3815 2016年6月2日(木)放送
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3815/1.html

基本的に、人の不幸は蜜の味と言わんばかりの演出をテレビはするものだと考えている店長の私です。

美香さんは高校と大学に通うため、およそ600万円の奨学金を借りました。

高校と大学の進学費用を考えれば、600万円というのもあながち理解出来るレベルでしょう。
でも、こんな記載もあります。

奨学金に頼ったのは、母子家庭で生活が苦しかったためです。
昼間は働いて家計を支え、夜、奨学金で学校に通いました

昼間の賃金は家計=生活費。
つまり、母と娘が稼いだお金で生活していたのでしょう。

夜学のある4年制大学で保育士資格を目指せる学校というのは少なそうですが、
働いたお金は家計を支えるしかなく、学費に回せない環境。

それはやはり厳しいものがあるかと思います。
それでも夢を叶えようという努力は素晴らしい。

あくまでも参考程度ですが、埼玉県のWEBサイトより母子家庭支援のひとつにも触れておきます。
(埼玉県に限らず、どこにでもある制度です)

児童扶養手当
支給額(平成30年4月分から)  
児童数1人の場合、全部支給で 月額42,500円
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0607/teatejidoufuyou.html

上記は全部支給という前提ではありますが、お母さんの収入が少ない場合、この程度の支援はあるようです。

この辺に突っ込んで検証する気はありません。

興味が出てくるのはこの辺から

しかし、就職したのは非正規の保育士の仕事でした。
給与は平均で月14万円

14万円の給与で月5万円の奨学金返済は厳しいでしょう?
そんな論調です。

ご丁寧に収入と支出の内訳も載っています。

収入:140,000円
支出計:134,000円
内訳)
家賃 60,000円
光熱費 10,000円
食費 40,000円
医療費 3,000円
通信費 13,000円
雑費 8,000円

この内訳を見てわかる通り、手取り金額ですよね。
社会保険や税金の記載はありません。

自分で払っている記載がないので、厚生年金含めた社会保険加入者でしょう。

大卒の初任給が約200,000円。
例えば「協会けんぽ(東京)加入者」の社会保険料はこんな感じになります。

標準月額200,000円の場合。

健康保険で 9,900円/月
厚生年金で 36,600円/月

所得税の源泉徴収として数千円レベルと仮定しても、月14万円程度の手取り給与というのは大卒の新入社員としてもそんなものでしょう。

で、もう一度支出を見ましょう。

内訳)
家賃 60,000円
光熱費 10,000円
食費 40,000円
医療費 3,000円
通信費 13,000円
雑費 8,000円

家賃が60,000円
理由があって一人暮らしを始めたのでしょう。

奨学金に頼ったのは、母子家庭で生活が苦しかったためです。
昼間は働いて家計を支え、夜、奨学金で学校に通いました

娘の収入が途絶えた今、お母さんは生活できているのでしょうか。
そっちのことも気になる点です。

食費が40,000円。
一人暮らしで月4万円の食費。

う〜ん・・・
ちょっと言いたいことがあります。

通信費 13,000円。
自己破産を考えている人ですが、何の通信しているんだろう??

この人の場合、(逆算すれば)収入は大卒の平均程度はあると思われます。
税金や社会保険料の負担で5万円/月程度が天引きされているわけですが、
5万円という金額は偶然にも奨学金の返済額と同じです。

まさか・・・とは思いますが、天引きの額が想定しないで一人暮らしを始めてしまった顛末だとしたらテレビで取り上げることもないお粗末なネタです。

「借りたお金は返したい気持ちが強くて、
だけどやっぱり2年3年延滞を待ってもらえる期間があっても、
一生かけて払わなければいけないというところがついてくるので、
全部一回借金などを整理して、悩んだのですが、
何回も家族と話し合って決めました。

で、チョ マテヨさんの登場です。

自己破産の結果、本人は借金の整理ができます。
何回も家族と話し合って決めるのは当然であり、なぜなら連帯保証人の問題が発生してきます

連帯保証人って誰???
その方々の生活も壊してしまうかもしれません。

その代償のデカさを考えれば、ひとり暮らしの家賃・食費・通信費にメスを入れるべきなような気もしています。

そこでFPを登場させるべきですが、それでは番組が盛り上がらないことは間違いないでしょう。

このご時世、返せない理由づけはいくらでもできますが、それでも返済している若者も多い。
その差について取り上げて欲しいものです。

制度的に問題含みな奨学金制度なことは承知しておりますが、こんな突っ込みどころ満載な事例を使っていると、社会で議論すべき問題点がボヤけてしまいます。


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