第三章 信じたら道は拓いた!

1.初心に帰る

いつしか理想とは正反対で、売らんがための「保険セールス」をしている自分がいた。
大いに恥じて、初心に帰って理想を見つめ直した。
売らんがための「保険セールス」をしたいのではなく、公平・公正なアドバイスができるファイナンシャルプランナーになるためにこの業界に来たのだ。

気にするのは、数字ではなく、お客様の役に立つことだけを考える。
何よりも、お客様の満足度が重要であり、収入はその先について来る。

この考えにたどり着いたとき、ふ~っと何かが飛んでいった気がする。

2.ホームページの作成

保険を真剣に考えていて、きちんとしたプロのアドバイスを待っている人を、飛び込みで探すことは非常に困難である。
しかも、私が最もお付き合いをしたい方々は同世代。
そもそも会社に行ってる世代で接点がない。
だからこそインターネットの活用。

私としては、今後の代理店人生を賭けた本気のアイデアだったが、保険会社や代理店仲間の反応は冷ややかなものだった。

今でこそたくさんの保険代理店のサイトがあるけれど、本当に数える程度しかなかった当時のこと。
プロに依頼するお金もなく、当然ホームページなど作ったこともない私は、見よう見まねで制作。
マニュアル片手に、何日も夜を徹して作業をした。

保険会社に、公開するための審査を受ける。
何度も何度も修正指示。
「この表現はダメ。この表現もダメ。このページは全部ダメ・・・」
公開の許可が下りた時には、季節が2つも変わっていた。

公開後、次第に共感してくれる方々が増えてきて、いよいよホームページ経由での初契約の日が来る。
初契約は通販ではなく、訪問してのアドバイスをご希望され、そしてご契約を頂いた。

飛び込み時代には中々実行することができなかった、お客様の立場にたってのアドバイスが存分にできたと自負。
そのお客様も大変ご満足いただいた様子。
数年経った今、お子さんの写真付きの年賀状をもらうなど、良いお付き合いをさせて頂いている

その夜、妻とささやかな祝杯をあげた。
布団の中で独り泣いた

3.一社専属代理店に限界を感じる。

時間の経過に伴い、保険相談希望者の数が安定して多くなってきた。
契約数も右肩上がり。

「各人に最適な保障を提供する」
そんな理想を追求していくと、1社専属の代理店であることに限界を感じるのは自然な流れだった。
その場その場で最善のアドバイス・提案をしていても、理想を追求するほどに限界を感じる。

プロの視点を持って、同業他社の商品を勉強すれば、他社の良い点は山ほど見つかる。
自分で納得できない保険は、お客様に提案できない。
お客様は裏切れない。

思い立ったら吉日。
総合生命保険代理店への道を進みだすことにした。
より公平・公正なアドバイスをするには、複数の保険会社を取り扱うことは「絶対に必要」との信念を持つ。

意味の無い拡大ではなく、厳選しながら取扱保険会社を増やし、提案のバリエーションは相当に広がる。
そろそろ・・・。

私の考えるより理想的な保障を組み立てることができるようになった。
非常に満足のいく商品を揃えることができている。
これまで以上多くの方々に、有意義なアドバイスをしていきたい。
お客様の満足度を追及していきたい。
あの時、代理店の道を選ばず、保険会社と雇用関係を結んでから・・・という道を選んでいたら、今はもう違う仕事をしていたはず。

4.信じたら道は拓いた!

ホームページ経由にてお客様から声を掛けて頂くために、冷たい視線を浴びたり、怒鳴られたり、雨や雪、汗でびしょしょになるような、そんな労力を使う必要がない。

労力がない分、アドバイス・提案などの「お客様のことだけを考える」ことに専念でき、セールス話法を駆使したアプローチを一切しないことが可能になっている。

本気でアドバイスを行い、そして私とその提案を気に入ってくれた人とだけ、一生の付き合いをスタートさせる。
まさしく、開業を決意したときの理想であり、思い描いた仕事。
今、それが出来ている・・・
信念に従い行動すると、道は本当に拓けることを実感。
セールスから、アドバイザーへ。
本当の意味での「保険のプロ」に脱皮できた自分がいる。

5.最後に本音の話

最後までお付き合い頂きありがとうございます。
売らんがための「保険セールス」を行わず、自身の正義に従い行動しているわけですが、これまで多くの方々からたくさんのご支持を頂き、本当に感謝しております。
今後もポリシーは変えないのですが、最後に白状してもよいでしょうか(笑)。

本サイト記載内容にウソ偽りはありませんが、裏返しの本音があります。
「押し売りしないとは書いてあるけれど、それでも押し売りされたらどうしよう・・・」と疑われる方とは仕事をしたくないのが本音です。
(これ、飛び込みセールス時代の完全なトラウマ現象です!)

途中でお断り頂いても全然気にしないのですが、「疑いの気持ち」での仕事ほど厳しいことはありません。
お互い、相当なストレスの中で仕事をしなくてはならず、結果として良い仕事はできません。

「何言ってるんだ!」と各方面から怒られそうですが、真剣に保険を考え、アドバイスを希望される方だけに全精力を注ぎ、ず~~~~っと長い、良いお付き合いをしたいからこそ、本音を書かせて頂きました。

これからはもう、自分を見失うことはせず、信念は曲げません。

これから出会う方々より、「お前も売らんがための保険セールスをするのだろ!」と思われても仕方がありませんが、少なくとも私どもは「質」を追求し続けます。

日本全国、保険の加入窓口はいくらでもあり、どこででも加入できます。
その中での皆さまとの出会いは、奇跡としか言えません。
だからこそ、その出会いを大切にし、期待に応えるべく質を追求します。

これを書きたくて、恥を覚悟でこの奮闘記を掲載しています。
これからもずっと忘れてはいけない、私自身の大切な財産なので。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。