第二章 道は想像以上に険しい・・・夢半ばで敗れる?
1.決めた自分への約束
完全歩合制の厳しい世界に身を投じるにあたり、最初に自分自身へ課題を作った。
- 最高のアドバイザーを目指しても、売らんがための「保険セールス」はしない。
- それまでの人脈・友人・親戚など、希望しない知人に保険を勧めない。
- どんなに苦しくても、2年間は続ける。
きちんとした保険を提案し、お客様の素敵な人生をサポートする。
 お客様本位で、誠心誠意の対応をしていけば、何とかなる。
 そのように考えていたが、実はこれが地獄の一丁目。
2.同期の代理店は3人
支社内で新規に代理店事業を始めたのは、私含めて3人。
 男性は私だけで、他の2人は年上の女性。
 保険の知識だけで言えば、ファイナンシャルプランナーの勉強をしていた分、予習はバッチリだった。
研修も終わり、実際の営業活動がスタートする。
 どこでどんな活動をしているのかは分からないけれど、彼女達はどんどん成績を挙げていく。
 一人の女性はスタートダッシュ賞をもらうなど飛ぶ鳥を落とす勢い。
 保険会社も一目を置くようになる。
一方の私は、なかなか思うような成績が挙がらない。
 保険会社からの視線を痛く感じるようになった。
成績と保険の知識は関係ないのか?
 自問自答の日々が始まる。

3.道は想像以上に険しい・・・夢半ばで敗れる?
中小企業、商店街、住宅街への飛び込み。
 過去の人脈や知人等を回らなければ、行く先は見知らぬ相手に飛び込むしかない。
ある程度の覚悟はしていたものの、営業経験もなく、会社の看板でチヤホヤ甘やかされて過ごしてきた人間にとって、想像以上に世間の風は厳しい。
 現実を目の当たりにする。
歓迎されるはずもなく、塩を撒かれんばかりの対応の連続に逃げ帰る日も次第に増えていった。
 いつしか、アドバイスではなく、勧誘トークをする自分がいる。
自信を喪失しながらも、僅かの気力で飛び込みを続けていると、ある日保険会社から声がかかった。
 「ポスティング企画に参加しないか?」
 返信用ハガキ付きのチラシをポストに投函して、興味がある人からの連絡を待つ、そんな手法。
 精神的に限界が近く、ワラをもすがる思いで参加を決意。
 当然代理店が費用を負担。
悪いことをしているわけではないが、飛び込みセールス同様に、ポスティング作業に対する世間の目が厳しく感じられ、いつしか人目を避けながらの行動。
昼間の目から逃れるため、早朝の 新聞配達の時間帯にポスティング。
 確かに効率は良いが、冬の朝は寒い。
 あっという間に手が震え、全身が震える。
 チラシをうまくさばくことが出来ない。
 配り終えて布団に入っても、震えはおさまらない。
 心身ともに冬の寒さは堪えた。
 自分への不甲斐なさに涙がこぼれた。
 妻にも相談できず、精神の状態は限界へ達する。

ノイローゼ直前。
 直前じゃなかったかもしれない。
「こんなことをするために、会社を辞め、この仕事を始めたのだろうか・・・」
 いいや、違う。
 各人に最適な保障を提案し、お客さんから頼りにされ必要とされる、保険のプロになるためだ。
 数ヶ月前、自信に満ち溢れ、理想に燃えていた私の姿はなかった。
いつの間にか、売らんがための「保険セールス」をしている自分がいた・・・。
 理想とは逆の自分。
収入は、学生時代のバイト代以下
 開業して1年が経過しようとしたとき、真剣に考えた。
 もう足を洗おうか
お客さんの立場に立って考え、保険を提案する仕事は大好きだ。
 誇りを持って取り組める仕事であると思っている。
 卑屈になる必要は無い。
 だけど話を聞いてもらう人がいない。
 聞いてもらう人を探すために、いつしか卑屈になっていく。
 極めて悪循環。
限界まで悩んで、廃業を意識したとき、「矢口に任せるよ」と言って契約を頂いた前会社関係者の方々の顔、快く送って頂いた多くの人たちの顔が浮かんできた。
 「あと1年。もう一度、真剣に取り組んでみよう。それでダメなら・・・」
妻の収入もあったことから、何とか最低限の生活はできていた。
 でも、一生守ると決めた妻に、長い期間頼るわけにはいかない。
 激変した生活に、文句のひとつも言わない妻のためにも、最後にもう一度頑張ろう。
 (少数だけど)
 私を信頼してご加入頂いたお客様を裏切ることもできないので、もう一度頑張ろう。
自分自身に再び誓った。
- 最高のアドバイザーを目指しても、売らんがための「保険セールス」はしない。
- それまでの人脈・友人・親戚など、希望しない知人に保険を勧めない。
- どんなに苦しくても、2年間は続ける。
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